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2019.06.14 更新

果樹ブドウの品質向上対策〜樹の生育と適正結果量〜


昨年は、7月の西日本豪雨により甚大な被害を受けるとともに、たびたび襲来した台風の被害もありました。落葉果樹のブドウにおいては、この時期からが最後の仕上げとなりますので、万全を期して入念な手入れをお願いします。

品質の良い果実を多く生産する為には、枝葉の生長と果実の生育との釣り合い(バランス)が基本となります。

枝葉が遅くまで強く伸びると果実の発育が悪くなります。また、果実が多く着き過ぎると枝葉の生長が悪くなり、目標とする葉面積が確保できません。

家庭菜園で自家消費のために栽培されている方も多いと思いますが、基本的には同じですので、美味しい果実の生産を目指して、バランスの良い管理を行ってください。

*枝の遅伸びを防ぐ

果実の肥大期、特に成熟前から成熟期に掛けて、枝葉が再伸長したり、遅伸びの生育をすると、葉で生産された養分を浪費して、果実の発育と品質が低下します。

土壌中の水分が多くなると、窒素が肥効を現し、枝の再伸長・遅伸びの原因となります。従って多雨が続くようであれば事前に防水マルチを敷いて過剰な水分を排除するなどの対策をおすすめします。

また、土壌が乾燥した際に灌水する場合も、過剰にならないように注意が必要です。

さらに、徒長枝が伸びるようであれば、誘引と部分的なせん除で遅伸びを防ぎ、果実の着いている所の葉に太陽が良く当たるようにしましょう。

ブドウは、果実の成熟期前の硬核期に入り枝が伸びると、生理障害の発生も見られるばかりでなく、着色や食味も劣ります。枝の遅伸びを防ぐためには、樹冠面積を適正に広げ、窒素の過剰を控えることなどが基本的な対策となります。

当面の対策としては、遅伸びする枝の摘心・ねん枝・せん除によって、果粒軟化(着色初め)以降に枝が伸びないようにする事が必行作業となります。

図1 ブドウの成育過程(模式図)

*適正結果量への調整

適正な結果量への調整は、枝の遅伸び対策同様に重要な栽培管理です。

葉で作られた栄養は、果実以外へも送られ、樹を維持しています。着果量が葉の面積や樹勢などに対して、多く成り過ぎると発育に影響し、果実肥大が悪くなり食味も劣ります。

そのため、袋掛け時期に適正な結果量とし、果粒軟化時期に生育状態・天候状況を把握して、順調な生育が望めないような場合は再度見直しを行い、樹勢に見合った結果量にしましょう。結果量の調整作業は、収穫期まで有効で有り、生理障害・房枯れ対策や、糖度の上昇にも役立ちます。

図2 葉で光合成された糖の配分

*気象対策

昨年は、7月29日に台風12号、8月23日に20号、9月4日に21号、9月30日に24号と日本列島に上陸し、各地で収穫期を迎えていた品種が、果実の落下・スレ・落葉などにより、甚大な被害を受けました。

台風の襲来に伴う多雨・長雨は果実の品質に大きな影響を及ぼすので、事前の強風対策とともに、排水・防水及び台風後の病害対策など、万全を期したいものです。


営農部 河田 義一
広報誌「なごみ」2019年6月号掲載


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